【診療科目】>肝臓胆嚢膵臓専門診療> 門脈体循環シャント症例紹介
当院では、門脈体循環シャントに対して、従来法と比較しより低侵襲で、動物への負担軽減を重視した外科治療を行っています。
これまでに400症例以上の治療実績があり、豊富な経験をもとに、手術から術後管理まで一貫したサポートを提供しています。
術後管理に精通した獣医師が連携し、一頭一頭の状態に合わせた丁寧な診療を心がけています。
門脈体循環シャントでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。
当院を膀胱結石の精査目的として来院したが血液検査と超音波検査により門脈体循環シャントが強く疑われたためCT撮影を実施。
左胃静脈―横隔静脈シャントが認められたため腹腔鏡下にて門脈シャント完全結紮術を実施した。
術後の発作は認められなかったため手術実施から72時間後に退院とした。

背断像 造影後 門脈相

背断像(左寄り) 造影後 門脈相

横断像 造影後 門脈相

横断像 造影後 門脈相

手術風景

シャント血管の剥離

シャント血管結紮後

傷口の写真
尿道結石が認められるとのことで結石摘出手術をご希望されて来院。
血液検査と超音波検査にて門脈体循環シャントが強く疑われたため尿道結石摘出とCT検査を同日に実施。左胃静脈―横隔静脈シャントが認められたため腹腔鏡下門脈シャント完全結紮術を実施。術後に発作傾向が認められたが72時間管理下にて抗てんかん薬、脳圧降下剤を用いることにより発作が収まり体調も良化したため退院とした。
現在は発作傾向は認めれていない。

背断像 MIP 造影後 門脈相

横断像 造影後 門脈相

横断像 造影後 門脈相

背断像 軟部組織条件 造影前

矢状断像 軟部組織条件 造影前

手術中の様子

シャント血管の剥離・結紮


透視X線装置を用いてシャント血管がないことを確認
3ヶ月齢で門脈体循環シャント疑いとのことで来院されました。
初診時は低アルブミン血症を認め、食事摂取も十分にできない状態であったため、全身麻酔下での精査は困難と判断しました。
まずは肝機能および全身状態の改善を目的として、点滴管理や内科治療を実施しました。
約2ヶ月間の治療により、アルブミン値や全身状態の改善が認められたため、CT検査を実施し、「脾静脈―後大静脈シャント」と確定診断しました。
翌月にシャント血管結紮術を実施しましたが、術中の門脈圧測定において完全結紮は危険と判断されたため、段階的治療として部分結紮を選択しました。
今後、門脈系の発達を確認しながら、3ヶ月後に再手術を予定しています。
術後は神経症状や発作などの合併症は認められず、経過良好であったため、手術後72時間で退院となりました。
当院では、門脈体循環シャントに対し、術前管理から外科治療、術後フォローまで一貫した診療を行い、一頭一頭の状態に合わせた安全性の高い治療を心がけています。

横断像 造影後 門脈相MIP

背断像 造影後 門脈相MIP

矢状断像 造影後 門脈相MIP

背断像 造影後 門脈相MIP
胃脾静脈付近より背側に分岐し、後大静脈に連絡するシャント血管を認めます(脾静脈-後大静脈を疑う)。
肝内の門脈枝は不明瞭であり確認できません。

手術中の様子

シャント血管の剥離、正常な肝臓と比べて色合いの変化・萎縮が認められる(③-2の症例と比較)


部分結紮術を実施している様子

部分結紮の糸を皮下に設置している様子(次回はこの糸を牽引すれば完全結紮となる)
1回目の部分結紮術により肝機能の大幅な改善が認められたため、3か月後に完全結紮術を実施しました。
初回手術時に皮下へ設置していた糸を牽引することで完全結紮を行うことができ、従来法と比較して手術時間を大幅に短縮することができました。
また、同時に腹腔鏡下卵巣摘出術も実施しました。術後の経過は良好で全身状態も安定していたため、術後72時間で退院となりました。
現在、術後1年が経過していますが、肝機能を含め特に問題なく良好に経過しています。

今回:短絡部位

前回:短絡部位
血管径などを見るだけで、顕著な肝機能の改善が推測されます。
短絡血管は60%程度縮小した印象です。

1回目の手術後の肝臓 非常に発達している

腹腔鏡下卵巣摘出術・傷口の写真

重度の貧血(HCT:5.7%)およびアルブミン低下が認められ、精査の結果、門脈体循環シャントと確定診断されたため、
手術をご希望され当院を受診されました。
貧血については、門脈体循環シャントによるものではなく胃潰瘍が原因である可能性が高いと考え、まず内科治療を実施しました。
その結果、貧血の改善が認められたため、全身状態の安定を確認したうえで外科手術を行いました。
術中に完全結紮を試みましたが、明らかな腸管のうっ血が認められたため、安全性を優先して部分結紮術へ移行しました。
術後は肝機能の改善が認められており、今後の状態を評価しながら、再度の手術を予定しています。

手術中の様子

シャント血管の剥離・結紮までの様子


完全結紮後に腸の鬱血が認められた

部分結紮術に移行後のシャント血管・胃腸の鬱血の評価


傷口の写真
流涎を主訴として他院を受診し、精査のためCT検査を実施したところ、横隔静脈を介した肝外門脈体循環シャントが確認されました。
凝固検査において異常値が認められたため、出血リスクを考慮し、外科的結紮ではなくコイル塞栓術による治療を希望されました。
コイル塞栓術後は良好に経過し、術後3日間にわたり発作の発現は認められなかったことから、状態が安定していることを確認し、退院となりました。

手術前のCT検査での評価(赤丸がシャント血管)

手術前のCT検査での評価(赤丸がシャント血管)

手術中の様子(セルジンガー法)

手術中の様子(カテーテル設置後)

手術中の様子

門脈造影検査

コイル設置後の造影検査

術後のレントゲン画像

術後のレントゲン画像

術後の傷口様子(ほぼ確認できないサイズ)
肝内門脈シャントの精査を目的にCT検査を実施しました。検査の結果、右外側肝葉において肝内門脈から体循環へのシャントが確認され、
後大静脈へ流入する血管が約5本(うち1本は太く、残りの4本は細い)存在することが判明しました。
また、右外側肝葉への血流が非常に豊富である一方、他の肝葉への門脈血流は細いことが確認されました。
そのため、右外側肝葉切除を行った場合には術後に門脈圧亢進を生じる可能性が高いと判断されました。
これらの所見を踏まえ、段階的な肝内門脈シャント閉鎖を目的とした血管プラグ塞栓術を希望され、施術する運びとなりました。





手術中の様子(セルジンガー法)

手術中の様子(カテーテル設置後)

手術中の様子

カテーテルでのシャント血管の造影検査

プラグ塞栓後の造影検査

プラグ塞栓後の造影検査

傷口の写真

術後のレントゲン画像(赤丸がプラグ、緑矢印は血糖値の測定装置)

術後のレントゲン画像(赤丸がプラグ、緑矢印は血糖値の測定装置)
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